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小林素子 Cooking Salon
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~~料理は神様とのコラボレーション~~

自然の恵みに私の手を加え、人をも私をも幸せに。
そんなテーブルを調えたい!

世界で体験したバラエティーに富んだお料理を、
動画レッスンで発信。シリーズ「私の料理で巡る世界の旅」は一周を終えて帰国ました!
目次から動画へどうぞ。

続く動画シリーズは「お料理周辺の小さなヒントとスイーツ」目次から動画へどうぞ。

「トラたんシェフのお料理日誌」もどうぞよろしく。
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小林素子の料理教室と、本、生活を楽しむ会をご紹介します。

ローマのサルティンボッカ [世界のお惣菜 肉料理]

サルティンボッカと言うローマ地方の仔牛料理をご存知ですか?
saltimbocca の意味は、(あまりに美味しいくて)「口に飛び込んで来る」です。
何とも好奇心をそそる名前ですが、今日は、私が初めてこの料理を食べた時の話を聴いてください。

ローマから電車で30分くらいの所に、オスティア・アンティカと言う古代都市の遺跡があります。私は遺跡が大好きなので、時々ふらっと行きました。
ある日、友だちと二人で行った時のこと、

おなかを空かせてオスティアの駅に着いたので、先ず昼食をと言うことになり、食べるところを探しました。けれど原っぱの真ん中の駅で、辺りには何もありません。(30年前当時)
少し歩いて漸く食堂を見つけ、さあ食べ物にありつける、と思ってドアを開けました。すると食堂のおやじと思しき人が、恐ろしい形相でわめきながら出てくるのです。

   ソロ スパゲッティー 何とかかんとか ジャッポネーゼ センプレ 何とかかんとか

私はイタリア語が話せませんが、こう言うときはちゃんとわかるんです。

   スパゲッティーだけだなんて、だめだ だめだ 日本人はいっつもそうだ!

その頃の私はイタリア人に決して負けないくらい食べました。それに二人ともすごくおなかを空かせていましたので、とんだお門違いの言葉に、私は頭に来ました。そして、誰がこんなおやじの店で食べるかっ!と思って飛び出したのですが・・・  他に食堂なんて無い事は既に分かっています。
冷静な友だちは、「何か食べたければここしか無いんじゃない。」と、  その通りなのです・・・

その店で私が注文したのが、このサルティンボッカです。単に仔牛が好きだからです。他に何を食べたかは憶えていません。

ここのが特別美味しかった訳ではありませんが、仔牛とセージの葉とプロシュートを重ねたこのお料理自体がとっても気に入り、その後あちらこちらで食べましたし、家でも作ります。

日本では仔牛が簡単に手に入らないので、私は牛ではなく良質の豚肉で作ります。セージと言うハーブは、私の味覚では大人の牛より豚肉に合うと思うので。
セージを沢山入れて、オスティアの食堂のよりず~っと美味しいっ
名前の通り、美味しくてどんどん口に飛び込んで来ます。

 

ところで・・・ 
日本では、スパゲッティーとサラダだけで立派な昼食になりますよね。
でもイタリアではパスタはスープコースですから、これでは、さしづめ日本で料理屋さんに入って、お吸い物とお漬物だけ済ますようなことなのでしょう。
きっとスパゲッティーだけしか注文しない日本人のお客さんが、このおやじさんの食堂にも何度か来たのでしょうね。

いよいよ作り方です。

本体の材料
   仔牛又は豚肉60gの切り身  ひとり2枚
   プロシュート            ひとり1枚 
   セージの葉、小麦粉、オリーブ油、塩、胡椒  適宜

           ☆ 肉はロースでも肩ロースでも。
           ☆ プロシュートが無ければベーコンで。
           ☆ 生のセージが手に入らなければ乾燥したものを。

        

本体の作り方
  1、肉を肉叩きかビール瓶などで叩き、筋をほぐし、多少薄く延ばしておく。
    塩と胡椒を振る。 
    二枚の肉でプロシュートとセージを挟み、肉の周囲を叩いて二枚が剥がれないようにする。  
    表面に小麦粉をはたく。
  2、1をオリーブ油で焼き、グレービーを添える。     

          ☆ 筋をほぐしておかないと焼いた時に肉が縮んで、二枚が剥がれてしまいます。              

グレービーの材料 4人分
   小麦粉      大匙1 
   バター      10g   上の小麦粉と併せてよく混ぜる。
   コンソメキューブ1/2個
   シェリー酒    50cc  

グレービーの作り方
  1、肉を焼いて取り出したフライパンの火を止め、直ちににシェリー酒を入れてフライパンの熱でア
    ルコール分を飛ばす。
  2、弱火にかけて水とコンソメキューブを入れ、鍋底に着いた焼き汁を掻き出す様に混ぜる。
    小麦粉とバターを入れて混ぜ、とろみをつける。塩と胡椒で味を調える。

              

   ☆ アルコールに火が移って燃え上がらない様に、特に家庭の台所では注意して下さい。
     家では換気扇の位置が低いので、フィルターや時には前髪まで焦がしました。
      ☆ シェリーは、肉料理をとても引き立てますが、無ければ白ワインで。又は、お酒なしで。

セージ以外のお好きなハーブを使って様々なバリエーションが考えられます。
Saltimboccaから派生した、何々家オリジナルのお料理をお楽しみ下さい。


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